豊国踊り披露
市民や観光客らも参加
豊臣秀吉の七回忌に踊られた「豊国踊り」がこのほど再現され、8月8日夕、大阪城天守閣前本丸広場で初めてお披露目された。
冒頭、踊りを企画・監修した北川央・大阪城天守閣館長と、芸能考証した橋本裕之・追手門学院大学地域創造学部教授が解説。橋本教授は「屏風絵をもとに装束や道具については分かったが、肝心の動きが分からず再現に苦労した。豊国踊りは室町期に近畿 地方の農村で盛んに踊られていた風流(ふりゅう)踊りの典型例。滋賀県の神社に伝わる踊りなども参考にした」と話した。
その後、宝塚歌劇団とОSK日本歌劇団のOGが踊りを披露。躍動感あふれる踊りに大勢の市民や観光客が見入った。
解説と踊りの披露の後、市民らも手本を見ながらその場で振付を練習。子どもや外国人観光客らも多く参加する中、最後には全員で幾重かの輪をつくりにぎやかに踊った。
参加した市民の一人は「簡単な振付で楽しく踊ることができた。来年もぜひ開催してほしい」と息をはずませた。北川央館長は「どれだけ参加してもらえるか心配していたが、大勢の方が楽しく踊ってくれてうれしい。末永く、いろんなところで踊ってもらえる芸能になれば」と話した。また、踊り手として参加した前回の対談ゲスト、元宝塚歌劇団の朝宮真由さんは、「参加した皆さんが心から楽しんで踊っているのが伝わってきた。あの当時の人たちももしかしたらこんな気持ちで踊ったのかなと思いました。毎年踊って大阪城の夏の風物詩にしたい」と振り返った。
豊国踊りは1604(慶長9)年、京都・東山の豊国(とよくに)神社で行われた秀吉七回忌の大祭礼で、1500人もの町衆が繰り広げた盛大な踊り。その様子は、秀吉の側近が書いた『豊国大明神臨時御祭礼記録』に記されているほか、京都の豊国神社と名古屋の徳川美術館が所蔵する2種類の『豊国祭礼図屏風』に描かれている。
今回の踊りは、これら文献や絵画史料をもとに再現され、豊臣家の本拠地だった大阪で「市民も参加できる催しを」と企画された。関連記事はこちら
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夏の陣 大阪城本丸薪能
秀吉の栄華 華やかに舞う 9月20日(日)~23日(水・祝)
昨年上演された「石橋」大槻文藏(右)と大槻裕一 写真提供=大槻能楽堂 撮影=森口ミツル 大阪城天守閣本丸広場で9月20日(日)~23日(水・祝)、「夏の陣 大阪城本丸薪能」が催される。「能を愛した豊臣秀吉ゆかりの大阪城で、多くの人に能を楽しんでもらいたい」と、現役高校生で若手能楽師の大槻裕一が抱いていた思いを実現。昨年に続き2回目の開催と意気込みを語る二人なる。今回も曲目・演者の全ての選定をした裕一は「演者と観客の間に緊張感をもって見ていただける番組。復曲能もあり、楽しんでいただける4日間」と張り切る。
大坂の陣から400年の節目となる今回は、秀吉にちなんだ演目「吉野詣」を23日に上演。シテ(主役)の秀吉役を大槻文藏がつとめる。
「吉野詣」は、秀吉が自分を主人公に据えて作らせた「豊公能(たいこうのう)」と呼ばれる新作能。足利義満や徳川家康ら多くの権力者に愛されてきた能だが、自身の功績を題材に能を作ったのは秀吉以外に例がないという。
舞台は桜満開の吉野山。秀吉が臣下を引き連れ花見として吉野山に参詣すると、一行の前に蔵王権現が現れ、桜の一枝を太閤に捧げる。
吉野の伝説や歴史を絡めつつ、秀吉の治世を賛美する能。随所に繰り広げられる舞はみやびな趣で、力強い所作と赤い頭の蔵王権現と、優美な天女が舞台に登場する華やかな演目だ。豊公能の作品はほぼすべて、秀吉自ら演じていたと言われるが、中でも「吉野詣」は最も多く演じられ、秀吉お気に入りの能だったとされている。
当日は、天守閣を望む絶好のロケーションに特設舞台を設置。大槻文藏をはじめとする能楽界の重鎮から若手役者までがそろって出演し、初秋の夜を篝火(かがりび)が照らす中、幽玄な舞台が繰り広げられる。各日午後6時30分開演。
演目は次の通り。
▽20日=「翁」(観世清和)、能「猩々」(大槻文藏・大槻裕一)特殊演出有。
▽21日=狂言「蚊相撲」(野村萬斎)、能「土蜘蛛」(大槻裕一・大槻文藏)
▽22日=狂言「仏師」(野村太一郎)、能「安宅」(大槻文藏・大槻裕一)
▽23日=狂言「蝸牛」(善竹隆平)、復曲能「吉野詣」(大槻文藏・大槻裕一)
役柄や衣装、場面設定などをリアルタイムで解説するイヤホンガイドサービス(700円)もある。雨天の場合、会場は大槻能楽堂に変更。詳細はホームページ(「大阪城本丸薪能」で検索)で連絡する。
全席指定。VIP席1万5000円、S席1万円、VIP通し券5万5000円。一部完売。
▽問い合わせ=キョードーインフォメーション、電話0570・200・888
大坂の陣400年記念
大阪城西の丸庭園で「大阪平成中村座」
江戸時代の芝居小屋が「復活」
大坂の陣から400年になるのを記念し、「大阪平成中村座」が10月25日(日)~11月26日(木)、大阪城西の丸庭園内の特設劇場で開かれる。
「平成中村座」は、十八世中村勘三郎(当時、勘九郎)の「江戸時代の芝居小屋を現代に復活させ、多くの方々に歌舞伎を楽しんでいただきたい」との思いで実現した特設劇場。大阪での公演は5年ぶりとなる。江戸時代にタイムスリップしたかのような趣向が凝らされた作りで、舞台と客席の一体感や歌舞伎の臨場感を味わうことができる。
会場となる西の丸庭園は、大阪城天守閣を望む絶好のロケーション。劇場の一部分が開き、雄大な天守閣を借景に生かしたダイナミックな演出も行われる。
7月31日に大阪市の橋下徹市長を表敬訪問した六代目中村勘九郎さんは、「父が生きていれば還暦の年。父が望んでいた年に大阪で再演できてうれしい」と話した。前回公演を鑑賞した橋下市長は「素晴らしい演出で本当に感動した。これからも伝統の中でチャレンジを続けて」とエールを送った。
公演は、昼の部(午前11時開演)、夜の部(午後4時30分開演)の2回。観劇料は松席(1階平場)1万5000円、桜席(2階)1万1000円ほか。
▽問い合わせ=大阪平成中村座公演事務局、電話0570・05・5581
大阪城公園内特設案内所運営協議会 受付9月1日(火)~30日(水)
大阪観光ボランティアガイド募集
大阪市では大阪の歴史や文化など大阪のよさを観光客に伝えるボランティアを30人募集します。
ボランティア活動に意欲的な市民(市外居住者含む)で、週1日以上、定めた曜日に終日参加でき、11月下旬から始まる計13回の養成講座を原則すべて受講できることが応募要件となっています。
詳細は、「NPO法人大阪観光ボランティアガイド協会新規会員募集要項」を検索。
NPO法人大阪観光ボランティアガイド協会 電話090・3059・6923
大坂の陣400年天下一祭 夏の陣2015 9月19日~23日ほか
重要文化財の櫓(やぐら) 特別公開
焔硝蔵 大阪城内にある国内最大級の「多聞櫓」、城内最古の「千貫櫓」「乾櫓」、珍しい石造りの火薬庫「焔硝蔵(えんしょうぐら)」を期間限定で公開します。大坂の陣400年天下一祭の事業の一環。
公開期間は9月19~23日と26・27日。いずれも重要文化財で、通常は内部公開していない貴重な古建造物です。
入場券は多聞櫓前で発売。入場券を持参の人は、西の丸庭園(通常入場料200円)に無料で入場できます。
公開時間:午前10時~午後4時30分
入場料:高校生以上700円、中学生以下300円、障がい者手帳を持参の人は無料
大坂の陣400年プロジェクト実行委員会事務局 電話06・6615・6312
大丸心斎橋劇場 9月18日(金)~26日(土)
OSK日本歌劇団「紅に燃ゆる」
OSK日本歌劇団は、大坂の陣から400年を祝し、西軍として徳川家に果敢に挑んだ「真田幸村」を主人公にした戦国ミュージカル「紅に燃ゆる~真田幸村 紅蓮の奏乱~」を上演します。出演は悠浦あやと、楊琳、遥花ここ、香月蓮、城月れい、朝香櫻子(特別専科)ほか。なぜ真田幸村は「日本一の兵(つわもの)」と語り伝えられるまでになったのか。大坂夏の陣に渦巻く人間ドラマとともに描かれます。正午、午後4時、7時開演。
観劇料:SS席7000円、S席6000円、A席5000円、学割・A席2000円
チケット取り扱い:www.osk-revue.com 電話06・6251・3091
落語家の文化祭&ファン感謝デー
彦八まつり
生國魂神社で9月5日(土)・6日(日)
「第25回彦八まつり」が9月5日(土)・6日(日)、生國魂神社で開かれます。上方落語協会が主催するファン感謝祭で、落語家が一同に会し、屋台やコンサートなどでファンと触れ合います。
彦八まつりは、上方落語の始祖、米澤彦八の名を後世に伝えるため、彦八公が活躍した同神社の境内に、1990年「彦八の碑」を建立したのが始まり。上方落語の発展を祈る催しとして毎年開催されています。
25回目の節目となる今年の実行委員長は桂文珍師。今年3月に亡くなった桂米朝さんそっくりのアンドロイドも公開されます。
5日は午前11時から桂文枝とハワイアンバンドで幕開け。参集殿では「桂花團治襲名披露落語会」、「25にちなんだ落語会」が行われます。恒例の「素人演芸バトル」や落語家によるバンドステージ、阿波踊りも。6日は「アタック25落語会」、米朝一門による「桂米朝追善落語会」を開催。大トリは桂米團治が務めます。境内ではお茶子クイーンコンテストが開かれ、子どもに人気の「噴水広場」もあります。
隣接する生玉公園では両日午後、チビッコ紙飛行機大会や昔遊びを再現する「生玉子ども広場」が開かれるほか、若手噺家による「噺家大相撲いくたま場所」(6日正午~)もあり、家族で楽しめるイベントです。入場無料。
▽問い合わせ=彦八まつり実行委員会、電話06・6354・7727
ラジオパーソナリティー 鈴木美智子さん
朗読演劇「ひとでなしの恋」
9月6日(日)大丸心斎橋劇場
阿倍野区出身でラジオパーソナリティーの鈴木美智子さんがプロデュースする「第16回 美智子の語り」が、9月6日(日)、大丸心斎橋劇場で行われます。鈴木さんが学院長を務める「アナ・トーク学院」主催。
鈴木さんは、朗読に音楽・照明・美術を取り入れ「朗読演劇(声芝居)」として数々の作品を発表してきました。落語、漫才、講談などの「語り芸」のジャンルに「声芝居」も入り、「語り芸の新たな歴史を作っていけたら」と意気込んでいます。
注目の女性演出家とタッグを組んだ今回は、初恋の相手と結婚した女性が夫の隠された性癖に苦悩する姿を描いた江戸川乱歩の「ひとでなしの恋」を上演します。
上演に先立ち、学院生による朗読の発表や、朗読コンテスト「A‐1グランプリ」が開かれます。
今年のコンテストには、元OSK日本歌劇団トップスターで、同学院23期生の桜花昇ぼるさんが参加。朗読「おかあさんの木」に挑戦します。
午後2時開演。全席自由。入場料は前売り・当日ともに4000円。
▽アナ・トーク学院=電話06・6941・8781
大槻能楽堂で親子教室
初めての能楽体験
親子で楽しく能楽を学ぶ体験型のイベント「夏休みおやこ教室」が8月3日、大槻能楽堂で開催された。
日頃、触れる機会が少ない能の魅力を知ってもらおうと、大槻能楽堂が毎年同じ日に開催している。第1部のワークショップでは、解説を聞いた後、囃子(はやし)に使う笛や太鼓などの楽器を体験。子どもたちは音の出し方を教わりながら、慣れない手つきで音を鳴らしていた。能面を付けて実際に舞台に上がるコーナーでは、能面からのぞく視界の狭さに驚いた様子。足が自然にすり足になっていた。
第2部では、狂言「盆山」と半能「雷電」を鑑賞。初心者でも分かりやすい演目で、初めて鑑賞した親子は「能楽に難しいイメージを抱いていたが、もっと観てみたくなった」と話していた。
私もエレベーターガール!
あべのハルカスなどで 「こどもお仕事体験」
あべのハルカス近鉄本店などで8月6~12日、子どもがさまざまな職業を体験できるイベント「こどもお仕事体験」が開かれ、約500人がさまざまな仕事を経験した。
自分でお金を稼ぐことの大変さや楽しさを知ってもらおうと、昨年に続き同店が企画。2度目の開催となる今年は、あべのハルカスに加え、天王寺動物園や通天閣など周辺の5施設に会場が拡大された。
百貨店で憧れのエレベーターガールに挑戦した日下ひのちゃん(5)は、店員の指導を受けた後、エレベーターに乗務。「上に参ります」と指先をぴんと上に向け、買い物客を案内した。
緊張しながらも約40分間を務め上げたひのちゃんは、「お客さんがいっぱい来て大変だった」。母親の優子さんは「今日が5歳の誕生日。貴重な体験ができ、いい記念になった」と話していた。