フォトグラファー 桑島絵理 さん
一瞬の自然な表情を
「10年後、20年後に見返した時、思い出がよみがえり、優しい気持ちになれる写真を目指しています」と話すのは、生野区・桃谷商店街の老舗写真館「桑島写真スタジオ」のフォトグラファー、桑島絵理さん。七五三や正月など「ハレの日」に正装し、かしこまって撮影するいわゆる「記念撮影」だった家族写真のあり方を変えようとしている。
祖父、父と受け継がれてきた写真館は1950年の創業。幼い頃、館内にはヨーロッパの写真や家族写真がたくさん飾られていた。薄暗く、格式高い雰囲気が漂う一方で、子どもながらに「入りづらい」と感じていた。
昨秋、3代目として店を継いだのを機に大改装。白い壁の明るいスタジオに生まれ変わった。
約1時間かける撮影は「一緒に楽しんでもらうことが大切」。桑島さんの引き込まれるような笑顔と声かけに、はじめは緊張した面持ちの家族も思わず顔をほころばせる。子どもとは一緒になって遊び、時には床にはいつくばって同じ目線に立つ。
カメラ目線にはこだわらず、顔を見合わせたり足や腕を組んだり。くつろいだ表情にその人らしさが出る一瞬を捉えた写真はまさに「家族の幸福な日常」。自然体に見えるポーズもプロならではの緻密に計算された一枚だ。
写真家としての原点は、可愛がってくれた父が撮ってくれた数々の写真。「真正面からびしっと決めた写真よりも、子どものありのままの姿を捉えた写真に当時の温かい雰囲気を思い出す。そんな写真を目標としたい」と話す。
▽桑島写真スタジオ=生野区勝山北1‐2‐5、電話06・6712・0012
NPO法人まち・すまいづくり活動報告
大阪市立美術館で第26回うえまちコンサート
夏の夕べのひととき 恒例の「四季」全曲を堪能
「第26回うえまちコンサート」(NPO法人まち・すまいづくり、うえまちコンサート運営委員会主催)が7月27日、大阪市立美術館玄関ホールで開かれました。A.ヴィヴァルディの代表作「ヴァイオリン協奏曲集『四季』」全曲を演奏。暑さを忘れて美しい音色に酔いしれました。
今年も「なにわの日」イベント協賛プログラムとして、728(なにわ)大使でバイオリニストの浅井咲乃のほか、大谷史子、中山祐一が出演。「テレマン室内オーケストラ」と共演しました。
そのほかに、M.ヴェックマン「4声のためのフーガ ニ短調」、R・カイザー「3つのヴァイオリンのためのソナタ」、C.P.Eバッハ「オーボエ協奏曲 変ホ長調」を演奏しました。
次回のうえまちコンサートは10月4日(土)、一心寺三千佛堂で開催。元OSK日本歌劇団トップスターの桜花昇ぼるを迎え「イタリア歌曲」他を演奏します。チェンバロは高田泰治。午後1時半開演。全席自由席2500円。
▽問い合わせ・申し込み=NPO法人まち・すまいづくり、電話06・6779・7222
第10回うえまち寄席を開催
「一文笛」「佐野山」披露
NPO法人まち・すまいづくり主催の「第10回うえまち寄席」が8月2日、阿倍野区民センターで開かれました。
出演は桂ちょうば(写真上)、桂佐ん吉の2人。まず、「時うどん」を一席。ちょうばの軽妙な語りと仕草に大爆笑。続いて佐ん吉が「佐野山」を披露しました。座布団からはみ出さんばかりの身ぶり手ぶりの相撲噺には、客席でも思わず力が入るほど。
ちょうばのトリネタは、米朝が創作した名作「一文笛」。明治はじめの大阪を舞台にした腕利きのスリの改心をめぐる人情噺に、会場からは大きな拍手が起こりました。
うえまち寄席は、「上方落語の始祖」といわれる初代・米沢彦八が生國魂神社で活躍したのにちなんで始めたもの。上方落語と縁の深い上町台地で落語を楽しんでもらおうと開催を続けており、気軽に楽しめる地域寄席として定着しています。
山本能楽堂
檜皮の葺き替え工事を公開
伝統技法を間近で
山本能楽堂で8月10・11日、めったに見られない能舞台の檜皮葺(ひわだぶき)の葺(ふ)き替え工事が一般に公開された。ヒノキの樹皮をそろえて1枚ずつ重ね、重厚で優美な曲線を作っていく伝統的な手法に参加者たちが見入った。
特殊な技術を必要とする檜皮の葺き替えの現場が公開されることはほとんどない。64年ぶりの葺き替えに際し、日本古来の建築技法を多くの人に知ってもらいたいと同能楽堂が公開を決めた。
檜皮葺師によると、屋根を葺く前に、材料となる檜皮を加工するのに仕事の大半を費やすという。採取した檜皮を一枚一枚、厚さや長さを切りそろえ扇状に張り合わせて加工する地道な手作業。20坪ほどの屋根の面積を作るのに6万枚も用意する。
参加者はこの日、2階客席などから作業の様子を見学。職人が少しずつずらしながら檜皮を葺き、竹釘を打ち付け固定する様子を間近で見守った。
▽山本能楽堂=中央区徳井町1‐3‐6、電話06・6943・9454
第1回 大阪地区大会 in 学習塾エフイーアイ
ナインブレイク
小学生~60代、20人が同じ土俵で対戦
ボード上のマス目に数字の書かれた駒を置き、相手の駒をひっくり返していくボードゲーム「ナインブレイク」は、オセロのルールに足し算の要素を加えた算数能力開発教材です。第1回大会の様子その第1回大阪地区大会が、学習塾エフイーアイ(天王寺区)で開かれました。
午前の体験会には20人が参加。午後からの大阪地区大会には16人が参加し、トーナメント形式で競い合いました。
初代チャンピオンの井川周三君(小6)は「オセロと同じようにできた。大人に勝ててうれしい」。
次回は9月20日を予定。
▽問い合わせ=カノン(開発・販売)大阪市東淀川区大桐2‐15‐20、電話06・6323・0252
大阪国際マンガグランプリ開催
四天王寺など協力
天王寺×真田幸村博 観光ガイドアプリ製作発表
マンガを通して国際交流を行うイベント「第1回大阪国際マンガグランプリ」(同実行委員会主催、四天王寺など後援)が8月8・9両日、大阪国際交流センターで開かれた。
今や日本を代表する文化となったマンガの力を活用し、大阪の魅力を国内外に発信するのがねらい。会場では、マンガやキャラクターのコンテストのほか、マンガをテーマにした外国人との交流企画やセミナーも行われた。
今回は「四天王寺の聖徳太子」がメーンテーマになっており、同イベントには四天王寺も協力。太子をイメージしたマンガやキャラクターの公募作品を事前に募り、全国から約120作品が寄せられた。コスプレ姿の来場者のために、周辺寺社も撮影場所として境内を開放した。
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会場では9日、大坂の陣400年を記念し11月から真田山公園などで始まる「天王寺真田幸村博」に合わせて製作されたスマートフォン用観光ガイドアプリ「天王寺×真田幸村観光ガイド」の製作発表も行われた。
「幸村博」のために来阪した観光客向けに、天王寺区と大阪城を結ぶエリアの観光名所や景勝地を紹介。ガイド役として活用してもうことで、地域のPRにつなげる。
会見では、 東邦宣伝の山川正時マネジャーが「大阪・天王寺を盛り上げたい一心で皆様方に賛同頂いております。ぜひダウンロードして、アプリで遊んでください」と呼びかけた。
現在、利用可能。
落語家の文化祭&ファン感謝デー
彦八まつり
生國魂神社で9月6日(土)・7日(日)
「第24回彦八まつり」が9月6日(土)・7日(日)、生國魂神社で開かれます。上方落語協会が開催する年に一度のファン感謝イベント。天満天神繁昌亭などで活躍中の落語家たちが一同に会し、ファンや一般の人と交流を深めます。実行委員長は桂文之助。
上方落語の始祖、米沢彦八の名を後世に伝えるため、彦八が活躍した同神社の境内に平成2(1990)年、「彦八の碑」を建立したのが始まり。上方落語の発展を祈る催しとして毎年開催されています。
6日は午前11時から「噺家三番叟」で幕開け。午後1時から「菊丸襲名プレ落語会」、午後5時から「米沢彦八没後300年落語会」が行われます。恒例の「素人演芸バトル」や落語家によるバンドステージ、阿波踊りもあります。7日は「歴代実行委員長落語会」「織田作之 助銅像建立記念落語会」を開催。子どもが喜ぶ「噴水広場」も境内に出現します。
生玉公園では両日午後、子ども向けの昔遊びを再現する「生玉子ども広場」が開かれるほか、若手噺家による相撲大会「噺家大相撲いくたま場所」(7日正午~)もあり、家族で楽しめる落語のお祭りです。入場無料。雨天決行。
▽問い合わせ=上方落語協会会館 彦八まつり実行委員会、電話06・6354・7727
大阪歴史博物館
特別展 村野藤吾 やわらかな建築とインテリア
日本を代表する建築家で、大阪を拠点に活躍した村野藤吾(1891~1984)の業績をたどる特別展「村野藤吾 やわらかな建築とインテリア」が9月3日(水)から、大阪歴史博物館で始まります。
村野は、宇部市渡辺翁記念会館や広島の世界平和記念聖堂など全国各地に300を超える作品を残しました。また、旧そごう大阪店、大阪なんばの新歌舞伎座、輸出繊維会館など大阪の都市景観に欠かすことのできない名建築を数多く設計しました。
代表作の一つ「梅田吸気塔」(写真・1963年)は、ステンレス板をパッチワークのように組み合わせた建物。生き物を思わせるような自由でやわらかな曲面で構成されており、細部にこだわった村野建築らしい作品です。
村野は建築だけでなく家具の設計も多く手がけました。設計した喫茶店「心斎橋プランタン」では椅子やテーブルのほか、衝立のデザインも自ら担当。金属と籐で構成された衝立からは当時の店舗全体のデザインをしのぶことができます。
同展では、設計図やスケッチ、家具など約200点を通して、村野の「やわらかな」作品の魅力と人物像を紹介します。10月13日まで。
観覧料は大人1000円、高校・大学生800円。中学生以下、大阪市在住の65歳以上(要証明証)、障がい者手帳等を持参の人は無料。
▽大阪歴史博物館=中央区大手前4‐1‐32、電話06・6946・5728
プレゼント 詳細はこちら
24区役所連携&天下一祭
スタンプラリー開催中
今秋から始まる「大坂の陣400年 天下一祭」を盛り上げようと、大阪市内の各区役所では「24区役所連携&天下一祭スタンプラリー」を実施しています。
「天下一祭」は、大坂の陣から400年を迎える節目の年に、大阪の歴史や文化、まちの魅力を発信し大阪を盛り上げていこうと官民一体で進めているプロジェクト。
スタンプラリーは、大阪城本丸エリアにあるスタンプの押印を必須条件に、3つ以上のスタンプを集めるというもの。各区の区民まつり会場や「天王寺真田幸村博」などの区関連イベント会場にスタンプが用意されています。スタンプを集めると、「秀吉賞」、「幸村賞」に応募できます。ホテル宿泊券やフェリー乗船券など地元企業等の協賛による素敵な賞品が用意されています。
対象は大阪市内在住・在勤・在学者。締め切りは11月2日。
▽問い合わせ=天王寺区役所市民協働課、電話06・6774・9734
10月5日(日)、大槻能楽堂
第3回 あふさか能
体験講座と謡跡巡り
大阪を代表する能楽師たちがそろう「第3回あふさか能」が10月5日(日)午後1時から、大槻能楽堂で催されます。能楽公演では珍しいイヤホンガイドを用意。分かりやすい解説付きで、初めての方も楽しめる公演です。
行政の予算が縮小されるなど伝統芸能にとって厳しい状況が続く中、能楽の魅力を大阪の人々に伝えようと能楽協会大阪支部員が結集し、総力挙げて取り組む独自の企画です。
演目は、能「江口」(大槻文藏)、狂言「栗焼」(小笠原匡)、能「望月」(山本章弘)。
チケットは前売り5000円、当日6000円。
あふさか能をより楽しむために、公演に先立ち9月6日(土)午後2時から、中央区徳井町の山本能楽堂で体験講座が開かれます。
「望月」のシテ山本章弘が、曲の見どころを解説するほか、謡の体験を行います。その後、「江口」ゆかりの地、東淀川区方面を訪ねます(交通費別途)
参加費は6000円(公演チケット代込み)。要申し込み。
▽問い合わせ=能楽協会大阪支部(大槻能楽堂内)、電話06・6761・8055
大槻能楽堂
ナイトシアター「十五夜能」
月にちなんだ演目 中秋の夜を堪能
人はなぜ月に惹(ひ)かれるのか――。大槻能楽堂では9月6日(土)、「十五夜能」と題し、数ある「月」にちなんだ演目の中から狂言「月見座頭」と能「三井寺」を上演します。午後6時30分開演。
「三井寺」は、中秋の名月を迎えた三井寺(滋賀)が舞台。母子の別れと再会をテーマに描かれ、三井寺の鐘の音、澄んだ月の美しい風情がしみじみと伝わってくるような作品です。
日本古典文学研究者の中西進氏のお話「月の能『三井寺』の魅力」もあります。
一般4800円、学生3100円。
同公演に先立ち、大槻能楽堂では「月」をテーマにした公募写真展「能の史跡…月のある風景」を開催。当日、ロビーには月と能にちなんだ場所や人などを題材にした受賞作品が展示されます。あべのハルカス近鉄本店タワー館4階「うえまちギャラリー」でも9月11日(木)から展示を予定しています。
▽大槻能楽堂=中央区上町A‐7、電話06・6761・8055
プレゼント 詳細はこちら
四天王寺で落語寄席「らくごの夕べ」
9月20日(土)
和宗総本山四天王寺で「らくごの夕べ」が開かれます。会場は五智光院。
▽第一夜 7月12日(土)終了
桂小鯛・桂ひろば・桂米紫
▽第二夜 7月26日(土)終了
桂雀太・笑福亭智之介・桂ひろば
▽第三夜 9月20日(土)残席わずか
露の団姫・桂ひろば・桂歌之助
午後7時開演
定 員:130人
チケット:前売り1000円
当 日1500円
各お堂で販売中
和宗総本山四天王寺 天王寺区四天王寺1‐11‐18
電話06・6771・0066(午前9時~午後5時)